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Sense of Nerd 第2回:その男、タケイグッドマン


Sense of Nerd

映画監督といえば、様々な出自があって、タレントから助監督あがり、映画会社の社員からCM監督、小説家に至るまで様々です。その中でも、華々しいキャリアとして一時期量産されたのが、プロモーションビデオ出身監督。80年代のMTV時代には、映画監督がプロモを!なんて驚きだったのが、90年代後半から00年代中盤には、あのプロモ監督がついに映画を!なんてノリになってしまって、多くのPV監督が映画を撮りました。中にはいまや巨匠となった監督もいます。

そのうちの一人、スパイク・ジョーンズは、90年代初頭から様々な名作プロモを監督したレジェンド。フレッシュな映像アイディアとイメージの具現化は、キャリアのかなり初期の段階から完成されていたと思います。
個人的に、そんなスパイク・ジョーンズのフォロワーだと考えているのが、映像作家タケイグッドマン氏。

90年代、まさにスパイク・ジョーンズと同時期に、スチャダラパー、ソウルセット、小沢健二などのPVを監督し、リトルバード(まだやってんのかな?)まわりの映像表現やアートワークを担ったクリエイターです。
彼の映像表現の特徴として、粒子の粗いアナログ的映像の活用、オーバーラップ、フレーミング、スローシャッター、魚眼レンズの多用、映画などのパロディなどなど、いま見れば、おいスパイク・ジョーンズのパクリやんけ!とツッコミたくなるのですが、当時はとてもフレッシュでカッコよく見えたものです。

もう一つの大きな特徴は、ビートやメロディーに合わせた編集です。彼はむしろその点に非常にこだわり、オリジナリティーを発揮しました。ワンカット撮影でも、スピードを上げることで動きとビートを合わせたり、ドラムではなく歌やメロディーに合わせてカットを重ね、時には同じカットを重ねてリズムを作ってみたり、まさにサンプリング世代の徒花、DJ手法による映像表現、といった感じ。

※彼の映像表現が詰まったサンプルとして

インタビューで、アイディアの基本は、全てその時そこにあるものを使って撮る、と彼は語っています。ダラ撮りというワードを生み出し、ローファイな素材を、ポップな編集で活かすマジックは、いま見ても色あせない名作たちを生み出しました。アイディア勝負感。

そんな、映像で遊ぶという姿勢は今の今に至るまで貫かれていて、彼が映画を撮ったなんて話は聞きません。スパイク・ジョーンズが商業的な要請があってかなくてか、今や映画監督として語られることが多くなった一方、タケイグッドマンはずっと身の丈にあった(失礼)映像を撮り続けています。

もちろん、僕も真似して魚眼レンズを買ってスローシャッターで映像を撮ったりしました。編集はすべてタケイグッドマンから学んだ、と言っていいでしょう(誇大表現)。

※一説によるとマトリックスより早かったとか早くなかったとか

今よりもはるかに、映像との出会いが一期一会だった時代、僕は彼の映像に出会い、心を奪われました。映像のインパクトというものが確かに存在し、アイディア一発、それを具現化!という熱情こそが、プロモでも映画でも重要だと教えてくれたクリエイターの一人です。

といいつつ、YouTubeではタケイグッドマンのPVがあまり見られなかったので、僕の好きなスパイクジョーンズプロモを紹介。スパイク・ジョーンズの初期のPVですが、スパイク・ジョーンズからタケイグッドマンに連なるものがすべて詰まったようなPVです。

中学生の頃、VHSで何百回も繰り返し見ました。スパイク・ジョーンズが撮ったと後から知ってビビったぜ。
そんな尖ったスパイク・ジョーンズもいまやオサレな映画監督。近作「her/世界にひとつの彼女」は、「今更そのネタか」「今どきそのテーマか」などという批判もありますが、僕は好きです。美術のアイディアがやっぱりエッジが効いてて、映像も昔から変わらない趣味ですが、映画で観ると巧くエモーショナルに映るんですよね。ルーニー・マーラ演じる元妻との過去の楽しかった生活の思い出とか、そんな風に魅力的に撮らないでくれ!と思ってしまう。

 

というわけでオチはまた結局映画でした。アカデミー賞脚本賞作品です。いやコレいい映画ですよ。オシャレ映画と敬遠せずにぜひご覧下さい。
アイディア勝負という意味では、PV監督と映画の親和性は、やっぱり高いかもしれませんね。