大塚広子 – PIECE THE NEXT JAPAN NIGHT

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第2回:Level 42「Something About You(US Remix)」 (Polydor/1985年リリース)


OLD 2 THE NEW

こんにちは。マスクド・サーディンです。お盆に開催された野外DJパーティー、第2回ミズシガレージは天候にも恵まれ楽しいイベントとなりました。ご来場頂いた皆さんありがとうございました。休日×公園×音楽×お酒×BBQ(バーベキュー)=楽しさ無限大といった感じですね。私は相当ビールのみましたよ!

自宅のレコード棚からライブラリーをひっぱり出しては、ふと思った事を徒然なるままにお届け!「OLD 2 THE NEW」の第2回目です。今回は皆さんもご存知、Level 42の大ヒット曲「Something About You」。大変有名な作品なんですが、ご紹介したいのはシングル盤にのみ収録されているリミックス・バージョン「Something About You(U.S.Remix)」です。ややこしですね。スイマセン。。そういった趣向のページ故お許しを。

今回は曲の善し悪しには一切触れません。誰がどう聴いても奇麗なメロディーだし、素敵な世界観のラブソングですからね。では何故このバージョンなのか?理由はこれから説明します。つまりアルバムとシングル・バージョンとの具体的な違いなんですが、他のシングル盤でも昔からよくある話でアルバム・バージョンよりも収録時間が長くなっていたりします。エクステンディッド・バージョン(ロング・バージョン)といわれるモノです。アルバムに先駆けてリリースされる先攻シングル等はレコード会社の意向もあってプロモーション目的という側面があり、派手なイントロや例えばAメロが始まるまで少しじらしたりとか、要は新たな楽曲に興味をもってもらう為の仕掛けがいろいろと施されています。
※該当箇所は4:15あたりからしばらく聴いてみてください

上記のYOUTUBEリンクを聴いてもらうのが手っ取り早いです。この「Something About You(U.S.Remix)」はLevel 42がブレイクするキッカケになったというのですから、主にラジオ・プロモーション等に使われたであろう、このリミックス・バージョンは功を奏したと言えます。いわゆるエディットといわれるもので、曲の中間あたりに、急に止まったり、逆再生の音や、拍単位でしつこく繰り返されたりしているパートがインサートされています。録音テープの編集によるものなのですが、これがとにかく目(耳)を引く。いやがおうにも2度見(聴き?)してしまう箇所です。

80年代も後半になってくると、デジタル機器を始めとした録音機材の驚異的な進化もあってこのようなトリッキーで複雑な編集はどんどん容易になっていくのですが、時代の徒花といいましょうか、この人力によるテープ・エディットは特有のノリがあって非常に味わい深い。実際に録音テープを切ったり貼ったりしてる訳ですから、ゴツゴツとした物理的な質感、アクシデントがしっかりと刻まれていて最終的に耳に残るんですね。特にLevel 42のようなポップスの場合、爽やかな世界にいきなり異物が混入してくる感じがあって効果絶大です。

この編集を手がけているのはシェップ・ペティボーンラテン・ラスカルズという2組のアーティストによるモノなのですが、この手の先駆けアーティストとして有名です。シェップ・ペティボーンは元祖リミックス職人の1人でマドンナ、ジャネット・ジャクソン等の有名作品にも関わっている重要人物。ラテン・ラスカルズ(アルバート・カブレラとトニー・モランの2人組ユニット)は自身名義のレコードもリリースしていたりもしますが、こちらも主な活動のフィールドはスタジオワークによる裏方稼業。80年代前半からNYのラジオプレイ用に様々なアーティストの楽曲を編集していたようです。2015年現在、我々はかなり味付けの濃い音楽に囲まれて生活していますから、これらの楽曲はややインパクトに欠けるかもしれません。しかし全くそんなことは無い。今聴いても実に素晴らしい。職人気質溢れる匠の編集テクニックに絶句し唖然としてしまいます。ちなみに日本でいち早くこの手法を取り入れたミュージシャンといえば角松敏生さんが有名ですね。

実は現在ここ日本でもこういったエディット・ミュージックのレコードや文化を紹介している奇書が出版されているのですからビックリです。興味がある方は読んでみてください。著者はエディットカンファレンスという集団によるもので、専門的であまり触れられる事の無かったエディット・ミュージックの世界が紐解かれています。あなたの知らないところで摩訶不思議な “編集”の世界がどっしりと横たわっているのです。ふらっと思わず迷い込んでしまった路地裏で..未知なる生物と遭遇してしまってさあ大変!といった具合に世界の多様なあり方に気づかせてくれるディスク・ガイド。私の推薦本です。

the edit
THE EDIT エディット・ミュージック・ディスク・ガイド
エディットカンファレンス (著)/(P‐Vine BOOKs) 単行本 (2009年出版)
※2013年に同著者達の続編にあたる
ザ・エクステンデッド 80’sポップス・12インチ・シングル・コレクション』が出版されているようです。

といったところで今日はこの辺で、それではまた。